2014年9月27日土曜日

旅にみちびくもの

6月末に発行された「モモだより」に掲載された記事を紹介します。
 
 
「旅にみちびくもの」
 
僕は現在、年間300本以上のワークショップをしながら全国を回っている。
テーマは味噌作り、鉄火味噌作り、黒炒り玄米作り、茜染め、自家発電、旧暦、地球暦、13の月の暦、陰陽の話、食養生の話、憲法の話、原発の話、集団的自衛権の話、ファシリテーション、非暴力コミュニケーションなど、頼まれたら基本的に引き受けるようにしている。
やったことのない内容でも、頼んできたってことは何か引き受ける意味があるんだろうな、と思うと断れない。
 
2006年に出来た「六ケ所村ラプソディー」という映画を持って全国を回った頃、一度もイベントを企画したことのない人から「身の回りの仲間に見てもらいたい。自分が大事だと思うことを皆と共有したい」というような相談を受けることが増えた。
僕は音楽系の専門学校の講師を3年ほどしていた経験があって、その頃僕がやっていた講座のメインは「イベント企画制作ワークショップ」だった。
まったくイベント企画の経験のない学生たちに、アイデアを出したり、そのアイデアを企画にまとめたり、その企画を実際に運営していけるようになるために、コーチングやファシリテーションといった「その人の中にあるものを引き出して、実際に形にしていくことを助ける」仕事を続けてきた。
多くの学生が、自分の中にあるアイデアをじっくり見つめたりそれを形にする行為を通じて変化していった。
大人から子供へのトップダウン型教育の影響で、子供達は「自分の話は聞いてもらえない」と思わせてしまっているような気がした。
そんな彼らに自分で自分のアイデアを見つめる機会をたっぷり作っていくだけで、彼らはみるみる変化した。
 
自分の声を聞き、それに従って動き出した時、人はそれまで見たことのなかった自分を発見するのかもしれない。
今も人から寄せられてきたイベント企画などの相談をなるべく断らず、なるべくじっくり話を聞き、その人の中にあるアイデアが形になり、いい形で実行に移されるようにサポートしようと思うのは、専門学校でのそのような経験が大きく影響していると思う。
イベント、上映会、ワークショップ、茶話会、、、何らかの形で、自分の思いや関心事について公に語り、呼びかけ、招き、場を作り、もてなしたり、何かを伝えたりする。
原発とか放射能とか、ちょっと口にするだけで「◎◎派」とくくられたり、時にはバッシングされたりする。そのような想定を乗り越えて勇気を持ってイベントを開こうとしている人に対して、単純に人として尊敬の気持ちがうまれる。
自分自身も、一本一本、今もそのようなたくさんの気持ちをないまぜにしながら、毎回「よし!」と覚悟を決めてその場に立っている。
だからこそ、まったく一度もやったことのない事に踏み出す勇気もふくめて背負って立つ人を、支えたいと思ってしまう。
出会う人の思いに対して自然に湧いて出る共感や尊敬という曖昧なものに導かれたままに、その流れをなるべく素直に受け止めて、なるべく真摯に向き合っていたいと思う。