2016年10月13日木曜日

10月16日新潟県知事選挙に向けて思うこと

新潟県知事選について少し書いておきます。

 ■新潟県HP 新潟知事県知事選挙特設サイト
 http://chijisen-go.jp/

言わずもがなかもしれませんが、改めて言語化しておくと「柏崎刈羽原発を再稼働するかどうか」は国際原子力産業全体にとっての今後を占う大きな分岐点であると見ています。

2010年に京大原子炉実験所を訪ね小出裕章さんからこんな話を聞きました。

「今後、原子力産業が徐々に衰退していくことは原子力産業側もわかっている。
特に欧米での新規立地はほとんど難しいだろう。でも原発を作るビジネスはとても儲かる。だから売れる分だけは売りたい。『あと100基増やす』と言いながら、まだ受け入れる姿勢を持っているアジア諸国に何十基かでも、売れる分だけ売りきりたいと思っているはず。」
(記憶を辿っているので完全に正確な表現ではないと思いますが意味は違ってないと思います。)

なるほど。
先進国が買わなくなった残り物を、アジアの発展途上国(この言い方好きではないですが)に売れるだけ売りつけようということか。
確かに情勢はそのとおりになっている。

アメリカでは新規立地の計画を各自治体での住民投票などで止めまくっている。

そしてインド、インドネシア、台湾などなどでは、日本で使われてきたプロパガンダの常套句を携え、新規立地計画がどんどん進んでいる。

今後の原子力発電所の新規立地計画はアジアに集中していく。

そしてこれらの国々で今後原子炉、タービンを作っていくのは東芝、日立、三菱。
それらの企業に仕事を振っているのは、アメリカのGE、フランスのアレバなどの世界最大手原発メーカー。

原発建設および管理の現場を担うのは、アジア各国(の一部関係者)から絶大な信頼を寄せられている日本企業群。

アジアの原発最前線、日本。

世界各国企業が原発産業から少しずつフェイドアウトするように静かに手を引きつつある中で、いまだに原発建設を進めている(建設現場を担わされている)「世界で最も現場感のある」日本企業が担っていく流れになっている。

そして、日本列島全体が、住宅展示場、モデルハウスのような役割をも担っている。

原発を新たに受け入れたい各国、各企業、各自治体の関係者が、続々と日本列島の原発群に視察に来ている。

「あなたのところで原発を受け入れると、こんなにメリットがありますよ。」というセールストークを聞きながら、日本中に点在する核施設を見て回る。

ウラン濃縮工場、各種の原子炉、中間貯蔵施設、再処理工場、プルサーマル専用原子炉、高速増殖炉(もんじゅだけではない)、最終処分の為の研究所など。
フランスやアメリカやイギリスが再処理、高速増殖炉ビジネスから撤退した今、これだけのバリエーションで核開発の現場を担っている国は日本くらいのもの。

さらにここに新たなお墨付きが加えられた。

それは「安全対策のスキルを最も持っているのは日本の企業」というもの。

このお墨付きを支えるのは「福島第一原発事故のような大事故を経験し、事故が起きた後の対策についての貴重な現場経験とスキルを持っているのが日本の企業。だから日本企業にまかせておけば大丈夫」といった物語。

その原発事故を経験した東京電力の運営する、世界最大の原発である柏崎刈羽原発。

この原発を再稼働できれば、この物語は維持される。

「未曾有の大事故を見事に乗り越えて原子力産業再生への道を歩み始めた東京電力」という新たなキャッチフレーズも得ることができる。

再稼働を推進する力、そしてこの新潟知事選に注目する目は、アジア各国に広がる原子力推進企業連合体および各国政府、柏崎刈羽原発の原子炉およびタービンを作ってきた日立、東芝、GE、中越沖地震の直後に視察に入ったIAEA、東芝が買収したアメリカの原子力メーカー「ウェスティングハウス」、三菱と業務提携を結ぶ世界最大の原子力メーカー「アレバ」、そして世界ウランカルテルなどにまで及んでいる。

世界の原子力産業が注目する選挙、世界の原子力産業の今後を占う選挙が、今回の新潟県知事選という実感があります。

泉田知事への圧力がかかっている、新潟日報が泉田知事を潰しに掛かっている、という話がありますが、僕は今回の知事選そのものに圧力がかかっていて、新潟の産業界、メディア界全体に、間接的、直接的に、先程あげたような企業群、組織群からプレッシャーがかかっているのだろうな、と思っています。

そして思うのは、その圧力、プレッシャーの力がどうこうということではなく、それだけ多くの人達が「この選挙は新潟県内だけのものではない。私たち皆にとって重要な選挙。」という思いを持っているということ。

にも関わらず、原子力産業そのものの推進を望まない人達の中では「これは新潟の人たちの問題」「私には関係ない」という空気になっている気がして、とても違和感があります。

これもマスコントロール、洗脳、関心を逸らさせる印象操作の賜物なのかな、と思ってしまいます。

もっと騒いでいいのでは?
と思いますし、
新潟県内で動いている人達にもっとエールを送っていいのでは?
と思ってしまいます。

では今回の知事選、誰が「再稼働は認められない」という立場を取っているのか。

僕は米山候補だと思います。

 ■米山隆一 公式サイト

彼は明確に、自分の言葉で、自分の責任の元に「再稼働は認められない」とはっきり答えている。
そして、彼を支える県民の声を聴く耳を持ち、聞く体制を作っている。
そして僕が各地で見てきた限りで言えば、その支援メンバーの何人もが、実際に放射能の危険性を理解し、移住や保養や健康管理や、原発再稼働反対の為の具体的なアクションを続けてきた人達。

彼らとの縁を、信頼関係を自ら壊すようなことはしないだろう、できないだろう、という感覚があります。

一方、自民公明両党が支持する森候補は、この選挙期間中に柏崎刈羽原発の再稼働について「安全が確保されなければ認められない」と、微妙に立場を変えてきているそうです。

 ■森民夫 公式サイト
 http://tamionet.com/

この言葉、、そっくりそのまま、過去に聞いたことあるんですよね。

2011年5月4日、原発銀座と呼ばれる原発群を有する福井県知事が語った言葉。

「安全基準を示せないなら運転再開は認められない」

そう名言しながら、、、
2015年に高浜原発3号機、4号機が原子力規制委員会の新規制基準に基づく審査に合格すると、同知事は同年「再稼働を認める」という判断を下しました。

 ●詳しい経緯は以下のとおり
 「福井県県政だより」
 http://www.pref.fukui.lg.jp/…/k…/kenseidayori27_d/fil/05.pdf


「安全基準を示せないなら運転再開は認められない」
イコール
「安全基準を示せるなら運転再開は認める」
ということだったのですね。

「条件付きの反対」というものは「条件が変われば賛成する」という立場を正当化する言葉になりえるわけですね。


・・・


以上は、あくまでも僕から見たらこう見える、という一視点に過ぎませんが、そんなことを思っています。

新潟県内で出来ること、県外からでも出来ること。

各地の選挙事務所に駆けつけること。
チラシ折り、ポスティング、電話かけ、炊き出し。
応援の声を届けること。

「投票に言ってね」
と電話すること。

自分の意見、考えを、伝えること。
(押し付けるのではなく)

判断の基準になるような情報を共有すること。


上越の米山隆一選挙事務所では、子どもたちが遊べるスペースを作って、小さな子供を持つ女性達が新しい雰囲気を作っていました。

彼女たちは、自分たちの活動しやすい場を作るだけでなく、自分たちが関わってこなかった過去の選挙を支えてきた人達にとっての快適な事務所でもあるようにと、先人たちへの感謝の気持ちを大事にしながら、毎日毎日話し合いながら、粘り強く選挙に関わり続けています。


 ■10月10日 米山隆一講演会@上越文化会館の様子


米山候補も、森候補が変わってきたように、ある変化を体験しているそうです。

それは、選挙事務所に新しく通い始めた人達を始め、たくさんの人達の、切実な思い、願いに触れたことから起こった変化だといいます。

今までの自分のスタイル、それを支える考え方に固執するのではなく、今の自分を支え、信じてる人達のための知事になろうという気持ちが大きくなっている。

ということを、何人もの方から聞いてきました。

人は変わるし、どんなシステムも、どんな関係性も、いつかは変わっていく。

変化を望むなら、自分が変化になる。

意識が変わったあと、考え方が変わったあと、、もう一歩勇気を持って、行動を、語る言葉を、変えていく。

知事を変えるだけでなく、知事との関係性を変えていく。

新潟県政を変えるだけでなく、新潟県との関わり方を変えていく。

柏崎刈羽原発のあり方を見直すだけでなく、柏崎刈羽原発との関係性を変えていく。
(柏崎刈羽原発で作られた電気がどこに送られているのか)

僕は明日から新潟を離れますが、10月16日の投開票日まで、自分にとっての大事な選挙であるという意識を持ちながら、そこここで動く人達に気持ちを繋いだまま、過ごしていきたいと思います。

世界のすべての場所から被ばくによる苦しみがなくなりますように。